「ピー・ピッ・ピッ」とビープ音
今回対応させて頂きましたパソコンはGeteway省スペース型のデスクトップパソコンSX2870-H54D です。
OSをWindows7からWindows10にアップグレードしたパソコンです。
パソコンの電源を入れると「ピー」とビープ音がして起動しないとのご相談でした。
持ち込まれたパソコンを確認すると「ピー・ピッ・ピッ」と言うビープ音を発生しています。
長音+短音×2回(-・・)
ビープ音からエラーを推測すると以下の可能性がありました。
- ビデオシステムエラー
- ビデオ BIOS ROM、あるいは水平復帰に不具合。
パソコンの画面が映らない不具合のようです。
お預かりしたパソコンは、マザーボードのVGA端子からディスプレイにつないで画面を表示しておりましたのでマザーボードの画面の出力系統の故障の可能性があります。
まずは、テストでチェック用のグラフィックボードを追加して確認したところ、ビープ音も無く画面が表示されました。
そこで、新品のグラフィックボード「SAPPHIRE R5 230 1G DDR3 PCI-E H/D/V [PCIExp 1GB]を準備して取り付けて電源ON!
画面が映らない
パソコンの電源を入れて画面を確認するとビープ音はしなくなりましたが肝心の画面が映りません、、、
当該のグラフィックボードの初期不良の可能性も考えて、他のパソコンで試すと問題なく我慢が映ります。
いろいろ調べて結果的には、パソコンショップ「ツクモ福岡店」さんのブログで以下の記事がありました。
最新のグラフィックボードを増設しようとしているパソコンやマザーボードが2012年頃に購入している製品の場合は注意が必要です。 ある世代以降のグラフィックボードが使用できない可能性があります。
具体的には下記の様な症状が発生します。
「画面が全く映らない」
「BIOSメニューには入れるがOSの起動には至らない」
「電源を入れ、メーカーのロゴが表示されたまま先に進まない」
「画面左上でアンダーバーが点滅表示されたまま先に進まない」この問題はマザーボードとグラフィックボードの双方のBIOSに起因しています。 「ファストブート」や「セキュアブート」といった新しい機能に対応していくために、グラフィックボードのBIOSが「UEFI」方式へと切り替わって移行が進んでいます。 このUEFI方式のBIOSを搭載したグラフィックボードと、2012年頃に販売されていたパソコンやマザーボードとの組み合わせで多数の不具合報告が上がっています。
▼特に症例報告が多いマザーボード(チップセット)
インテルP67・Z68などの60番台および、H77・Z77・X79など70番台チップセットを搭載しているマザーボード▼グラフィックボードのUEFIへの移行状況
GeForce:GTX 600シリーズ後期生産品、GTX 700シリーズ以降
Radeon:R7/R9シリーズ以降※これより前の世代のグラフィックボードでも、UEFI化されている製品もあります。パッケージに「Windows 8 Ready」と記載されているグラフィックボードは、UEFIになっている可能性が大きいです。
◆もし不具合が出たら・・・?
マザーボードのBIOSの設定変更(セキュアブートの無効化、レガシーサポートの有効化)やBIOSの更新(アップデート)で解決するケースもありますが、 マザーボード側にそういった設定項目が無かったり、更新用のBIOS自体が提供されていない場合は解決不能となります。 その場合には、BIOSがUEFIになっていないグラフィックボードを探すか、マザーボードの交換が必要です。ツクモ福岡店最新情報ブログより引用「そうだ、グラフィックボードを増設しよう! でも、その前に...」
Geteway パソコンSX2870も2012年頃の製品でツクモさんの記事に該当する機種です。BIOSを最新にアップデートすると使えるようになる可能性もありますが、Getewayサポートサイトで調べたところ、残念ながらBIOSのアップデートプログラムは提供されていませんでした。
結果的に今回準備したグラフィックボードは、対応不可でしたので、お客様と相談の上、対応可能な中古品のグラフィックボードを取り付ける正常に画面が映るようになりました。
<追伸>
お客様が以前、ご自身でグラフィックボードを取り付けされた際にWindowsが起動しなくなりリカバリーした経験があるようです。しかもリカバリーしても正常に動作せず結局購入したグラフィックボードを取り外して使っていたとの事でした。今回の事と同様な状態だったのかも知れませんね。